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学会シリーズ

この春から夏にかけての学会シリーズが一段落しました。

JOAでは、「初期治療に失敗した〜」シリーズで「骨接合後の感染」を担当。初期治療に問題があることが多いFRIはネタも多かったのですが、ほかはそんなことも少ないので議論もしにくかったと推測。でもまあ、JOAでセッションが組まれるようになったのは驚き


東北整形災害外科学会ではハンズオンセミナー、やはり細かいところまで伝えることができるのはハンズオンの良さですね。若手中心の参加でしたが熱心に質疑応答する様子が印象的でした。またそれが我々のfeedbackにもなります。


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翌日は西日本整形災害外科学会での特別講演。時間をかけないとなかなか正確には伝わらないので、多くの先生方に深く伝えられたのではと思われます。

その翌日は台湾でのAPMIS(asia-pacific muskelo skeletal infection society)とはいえほぼ台湾で行われているこの研究会。フィリピン、韓国、中国の先生方とも意見交換ができました。世界の治療法を知るのは自分の知見を広める良い機会になります。

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さて6月終わりのJOTA(Japanese Orthopedic trauma association)と骨折治療学会から改名しての1回目の学会。さすが井口会長というプログラムでした。CLAPのセッションも設けて頂きより突っ込んだ議論ができたのではと思います。

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7月に入ると、創傷外科学会、形成外科の学会ですが、Biofilmのセッションで呼ばれました。形成領域ではいろいろな被覆材などもあり、勉強にもなりましたし、明日から使ってみたいものもありました。以前から正しく勉強したかったIWCONPITの話も聞けてよかったです。closed intra-wound continuous negative pressure and irrigation treatmentの略なのですが、創をopenにしてiSAPで管理するときのシステムににており、流量は一日2000とか4000などかなり多い量の生理食塩水で洗い流すようです。

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 次の週は久留米での骨関節感染症学会。脊椎のセッションが多く組まれていたのは会長の特色が出てよかったと思われました。久留米なのでIWCONPITの創始者である清川先生の話も聞くことができてさらに理解が深まりました。創をopen似して管理しNPWTを組み合わせることで肉芽の形成を図るコンセプト。NPWTを使う前と比べるとかなり早く治癒が得られることは確かです。ただし、iSAPはチューブを深部に設置して創をできるけ閉じてしまい少ない抗菌薬の溶液を浸潤させることでもっと早く治すことができます。IWCONPITでは縦隔炎が1ヶ月という速さで治癒ができたとありましたが、iSAPでは最初から閉じにかかるので2週間でほぼ創閉鎖に持っていけます。

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創を閉鎖的に管理することで、灌流の効率も良くなるし、軟部再建などの二期的な処置も不要で、治療期間も短くなることを確信しました。整形外科では川島式持続洗浄をはじめとする、irrgationが主流でしたが、標準治療にはなりませんでした。IWCONPITが形成外科で広く普及しているものではないこと。整形外科でirrigationがperfusionになることで広く受け入れられるようになったことを考えると歴史的な変遷を知ることは非常に有用だと感じました。


一連の学会をとおしてCLAPも広まってきましたが、正しい理解で使われていないことも多く、今後はそこを正確に伝えていく必要があると感じました。


さて最後はWAIOT(world association against infection and trauma)、横浜で開催された国際学会です。世界13カ国から参加があり、総勢90人と研究会に近いですが、一つの会場でするためdiscussionはとことんまでやる感じでした。抗菌薬局所投与は、calcium sulfateやcollagen spongeやPMMAやhydrogel等様々なものが、コマーシャルベースで臨床応用されています。日本からは銀やヨードのコーテングインプラントもでてきそうですし、色々なトピックが議論されました。海外の方は、CLAPも最初は聞いたこともないという感じでしたが、発表が増えるにつれて議論も深まりました。せっかくなのでブースでCLAPのデモを行ったところ興味津々で実物を見ることでシステムが理解できたのではと思います。

世界のSNSの標準はWhat's upなので様々な国の人と知り合ういい機会になりました。

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外傷から広まっていったCLAPが徐々に日本に広まっていき、今後は世界にも広まっていけばと期待されます。

 
 
 

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Akihiro Maruo

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