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Why Gentamicin is suitable for local antibiotics?

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*血中濃度が高い場合は、投与濃度を減らす。

*一日投与量が血中濃度に影響する。

*流量は局所濃度がプラトーに達するまでの時間に影響

60mg Gentamicin/50ml 生理食塩水=1200μg/ml

2ml/hで注入

 CLAPで用いる抗菌薬は、「殺菌性」かつ「濃度依存性」の抗菌薬が、濃度を上げることで殺菌作用が期待できるため局所投与に適しています。それに当てはまるのはアミノグリコシド系かキノロン系であり、古くから臨床で使用されて、基礎的なデータも報告があるのはアミノグリコシド系です。そのうち臨床現場で容易に濃度が計測できるのはゲンタマイシンとなります。CLAPでは​高濃度の抗菌薬を移行させることで耐性菌も制圧できるため起炎菌に関係なくゲンタマイシンを第一選択として、無効例はアミノグリコシド系のアルベカシンを用いるようにしています。

 局所に投与する場合でも副作用が問題となります。全身的な臓器障害として腎機能障害と、局所の細胞に対する細胞障害性が問題となります。

■他施設研究

 最近の骨折関連感染症の他施設研究で、腎機能障害を調べたところ約10%にKDIGO分類のI相当が起こっており、CLAPの介入はリスク因子に放っておらず、MRSA薬の使用、高齢が優位にリスク因子になっていました。骨接合後感染においては抗菌薬や鎮痛剤などを多く使用するのでCLAPの併用にかかわらず一定の確率で起こっており自然回復している事がわかりました。

■細胞毒性

 また、ゲンタマイシンの細胞毒性については、神戸大学で基礎研究を行いました。大腿骨の骨髄内をリーミングしてできた細胞は骨髄内のヘテロな集団ですが、それを培養して細胞障害性を調べる研究を行いました。市販されている培養細胞よりも生体に近い細胞が再現できていると思われます。そこでは750μg/ml以上で、細胞障害性が出るというデータがでました。現在1200μg/ml で投与しておりますが、体内で少し希釈、拡散されていることを考えると許容範囲かと思われますが、状況によってはもう少し低い濃度を投与してもよいかもしれません。

■アミノグリコシド耐性

 ゲンタマイシンの局所投与で問題となるのはβ-ラクタムに体制のあるMRSAではありません。MRSAにアミノグリコシド耐性遺伝子があると高度の耐性を示します。産業医大では、院内で分離されたMRSAの耐性遺伝子を解析して、そのMICとMBECを調べました。3種類のメジャーなアミノグリコシド耐性遺伝子が知られていますが、そのうちの一種類であるaac(6')-aph(2″) gene

を持っているとMICが16以上MBECが256以上になることがわかりました。この遺伝子を持つ場合の、臨床成績はまだ明らかになっていないですが、あらかじめこの遺伝子を持っているかどうかを知るだけでも、有用な方になるかと思います。

 

​■抗菌薬の全身投与

 また、CLAPの治療期間中は、抗菌薬の経静脈投与も併用します。局所投与している間は、感染創に抗菌薬が行き渡れば理論上必要ないはずですが、実際にはすべての感染巣には届いていないことも想定できます。また血液中に浮遊している細菌には有効なはずです。そのため、全身投与には起炎菌の感受性に合わせた抗菌薬を選択します。

次に経静脈投与の投与期間ですが、開放骨折の感染制御のために抗菌薬を使用する場合は、局所投与をやめるときに経静脈投与も中止します。しかし、感染が成立した場合は、慢性骨髄炎に準じて2〜3ヶ月の抗菌薬投与が必要になってきます。

 Copyright since 2019 by Orthoplastic trauma team at Steel Memorial Hirohata Hospital

2020.5.1 Harima-Himeji General Medical Center HGMC Orthoplastic trauma center​

Akihiro Maruo

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