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iMAP  intra-Medullary Antibiotics Perfusion

iMAP pin  intra-Medullary Agent Perfusion pin  

 iMAPは、intra-Medullary Antibiotics Perfusion(iMAP)で、骨内に抗菌薬を持続注入し、それをドレーンから陰圧をかけて吸引することで抗菌薬を循環='perfusion'させる手法です。

 以前は「骨髄点滴」と言われていました。これはシリンジポンプが普及する以前、病巣を掻爬したあとにできた死腔に流量を多くして注入して洗い流す意味合いが強い治療法であったと思われます。

 これに対して、'iMAP’はシリンジポンプで注入するため、髄内の抵抗が高くても確実に微量注入できます。骨梁構造が残った組織にも抗菌薬が拡散していくと思われます。iMAPは、従来の治療のように抗菌薬で洗い流すのではなく、組織に抗菌薬を浸透させるdrug deliveryとしての目的で用いられます。

東北大式骨髄穿刺針 

 骨髄に抗菌薬を注入するために、東北大式骨髄穿刺針(泉工医科機械:東京)を用いていました。これは内筒と外筒からなるシンプルな構造のため、留置期間中に緩んで注入部から薬液が漏れたり、ベッド柵に当たって折れ曲がったり、ゆるんで抜け落ちたりすることもありました。骨に固定されるのは片側の皮質ですので固定強度には限界があります。このため患者は治療期間中ベッドから動くことが難しく、ベッドの上で排泄処理を強いられます。若年者は精神的な苦痛が大きく、高齢者はADLの低下が著しかったのです。

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折れたピン.jpg

iMAP Pin intra medullary antibiotics perfusion pin   

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ねじ先端追加工検討_M0C05010_シャフト_φ5xL110.jpg

東北大式骨髄穿刺針

 これらの問題を解決するためにiMAP pinが開発されました。iMAP pinは先端がネジになって対側の皮質に固定することができます。また、延長チューブに結合できるアダプターから注入された液は中空構造になったピンの中央を通って、ネジの手前で横から流出できる構造になっています。

 iMAP pinはしっかりと固定できるので、座位をとったり車椅子に乗ったりしながら治療を行うこともできます。

 現在3mm径 90mm長と5mm径110mm長の2種類を用意していますが、今後ラインアップを増やしていく予定です。

 現在、iMAP pinはCubex Medical :東京 で提供しています。

保険診療の壁

新しいiMAP pinの導入により、保険診療の適応外の問題は解決しました。新しいiMAP pin

はクラスⅢで「長期間」の留置、すなわち24時間以上30日未満の留置が可能な医療機器と

しての認可を受けています。CLAPにおける1〜2週間程度の留置期間に対しても問題がなくなりました。

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iMAP Pin intra medullary agent perfusion pin 

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 2024.春、念願の次世代バージョンのiMAP pinがClass IIIの認可降りて、製品として提供できるようになりました。

名前はiMAPpinですが、intra medullary agent pinとしました。これは抗菌薬だけではなく、あらゆる薬液=agentを骨髄内に投与できるデバイスとして、医療機器登録しています。ただし、投与する液は、その添付文書の使用範囲に準拠します。

  したがって、ゲンタマイシンの骨内投与は適応外使用であり、倫理委員会の審査を受ける必要があります。

改良点

1.本体とコネクタの2つから構成されていましたが、設置位置を調整する時にコネクタを外す必要がありました。コネクタに直接ドライバを接続することで、一体型になりました。またドライバーの尾部から注射器で注入できるようになりました。設置深度を調整しながらflow testができるようになりました。

​2.先端開口型のピンも提供。東北大式と同じ機構を持つピンも開発しました。ピンの外側にthredを設けることで簡単に脱落するのを防いでいます。

専用のガイドピン、中空ドリル、スリーブが用意されます。ドライバーも刷新されました。

 現在、iMAP pinはCubex Medical :東京 で提供しています。

 Copyright since 2019 by Orthoplastic trauma team at Steel Memorial Hirohata Hospital

2020.5.1 Harima-Himeji General Medical Center HGMC Orthoplastic trauma center​

Akihiro Maruo

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